2022/06/24
それは会社から発売の承認がおりなかったのです。理由は色数の多さでした。当時の業界では1つの椅子張の色数の多くは6~10色でしたが、NCは最終的に49色構成になっていたのです。
色数が多いという事の問題点は商品の在庫量です。49色となると通常の5~8倍の色数になり、商品在庫量も5~8倍必要となることを意味します。1つの椅子張で49色もの色を持つことは、当時非常識であり販売不振で終わってしまった場合の損害も大きくなるのです。
それでも今までにない新しい色構成、織物自体の使いやすさ、長期に渡り使える品質、及び高級感、絶対にお客様に受け入れられるはずだと会社を説得し、ようやく約半年後に承認を得て発売に至りました。
2.進化
NCが誕生する時から一番に考えていたのが、「色へのこだわり」です。
単純に経糸・緯糸を同じ色で組み合わせるだけではなく、例えば青色と茶色や赤色とオレンジ等、2色を組合わせることによりそれぞれが特徴のある最良の色が出来上がります。また、NCはアクリルとウールを混ぜて1本の糸にしてあるので、アクリルだけ染めてウールを染めない(NC128)、また逆にアクリルも染めるがウールをより濃く染める(NC130)、アクリルもウールも同色に染め、ビビットな赤(NC158)・青(NC159)・黒(NC129)を表現する等の多様性な染色方法を取ることで、ウールライクの高級感のある生地になります。
このように1つの商品の色を決定するには、何度も修正を重ね時間をかけて、最良の組合わせの色が出来上がります。
NCの顔でもあるカラー展開ですが、1986年49色でスタートしてから36年間、これまでに5回の改定を経て2019年改定で76色のカラー構成になりました。
36年間、常にその時代のカラーを先取りし挑戦し続けてきましたが、36年前発売したカラーが(現在NCシリーズは全体76色構成になっております)今も現役で頑張っています。
(NCないしょ話)結構マニアック
36年間、多くのお客様に支持され続け今も現役で頑張っているカラー番号には1つの特徴があります。
それは、NC発売当初のカラーは上記のように49色でした。
商品番号はNC101~149番です。その後2回目の改定ではNC150~の番号が生まれ、3回目以降ではNC010~というように0番から始まるカラー番号になっています。
ということは36年間、長い間使われ続けている商品カラーはNC101~149の間の番号になります。
3.カタログ変遷
36年間の間に総合タイプを含め12種類のカタログを出しましたが、それ以外にNC単独のカタログを、形状を変えて出しました。
*1986年DSC0650・DSC0680(NC最初のカタログ
*1995年DSC0649・DSC0679
*2007年DSC0648・DSC0676
*2007年DSC0665(手帳タイプ・2022年現在も継続中)
*2012年DSC0692・DSC0694(BOXリングタイプ)
*2019年DSC0661(シッピングタイプvol2)
歴代の全カタログ
これからもNCはさらにお客様に慕われ、魅力ある商品になるように頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。